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4月16日のシンフォニエッタ

4月16日のシンフォニエッタ

Tag: 院長のブログ 読み物

「もうこんどこそは冬に逆戻りなんてナシだよね」って
言えそうな陽気になってきましたね。
このブログに訪れてくれた貴方は、いかがお過ごしですか?

札幌 矯正歯科 専門医院【たまき矯正歯科】院長の玉木弘孝です。


札響定期演奏会

毎月聴いている札幌交響楽団定期演奏会(以後 札響定演と略す)に先週の金曜日4月16日行ってきた。
前半の2曲目にヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が演奏された。トランペットを中心に金管楽器が威勢よくファンファーレを奏でるのが特徴的な二十数分の曲だ。
二十歳から37年間、札響の定演会員を続けている私にとってもあまりなじみの少ない、どちらかというとマイナーな曲だ。
たぶんベートーベンの交響曲第3番などの有名な曲にくらべれば日本全国のオーケストラで演奏される頻度も非常に少ないものだろう。
(きっと年にせいぜい一回、もしくは数年に一回というところか?)

午後7時から始まる演奏会に間に合うよう診療後急いで地下鉄に飛び乗った。その直前に、そういえばと思って札駅地下街の書店に当日発売となって平積みになっていた村上春樹の「1Q84」Book3を買っておいた。

「シンフォニエッタ」終了後、後半のドボルザーク「交響曲第5番」に移る前の休憩中、いつも会うスキー部の後輩だったH先生とおしゃべりした。
H先生が「シンフォニエッタが村上春樹の1Q84のなかでどんなふうに出てくるんですか?」と聞いてきた。
「1Q84のBook1の最初のページで主人公の一人で女暗殺者 青豆がある人を殺しに高速道路上でタクシーに乗ってるときFMラジオから流れて来るんだ。Book1,2のその他の場面でも何回も出てくるよ。」と私が説明しておいた。
そしたらH先生は「今日の定演に村上春樹もお忍びで来ているかもしれませんね。」と半分真顔で反応してきた。
「まさか。」と私。
「だってあの人は北海道マラソンやサロマ百キロマラソンにも走りに来ているんですよ。」とH先生。
私は「へー、そうなのー。」と言って、後半のドボルザークを聞きに席に戻った。

演奏会終了後、妻と食事中ある疑問にハタと思いあたった。

つまりあの超ベストセラーとなった「1Q84」で、何度も出てきて重要な意味を持つこの曲が、よりによってまた超ベストセラーとなるであろうBook3の記念すべき販売初日に、なぜ札響の定演で演奏されたのか?ということだ。

偶然にしてはできすぎている。

札響事務局のある偉い人が、もしくは指揮者であり音楽監督もを務める尾高忠明が気を利かしてシャレたまねをしてくれたのだろうか?

しかし定期演奏会のプログラムは少なくとも一年以上前には決まっているはずだ。今回の指揮者ラドミル・エリシュカ氏はヤナーチェクと同じチェコに住んでいて、曲目・演奏日程等を打ち合わせしその日程を決めるには他の一年分の定演プログラムも含めて相当以前に準備しなければならない。

1Q84Book3

一方「1Q84」Book1と2の発売は昨年の5月。たしかにBook2のあの終わり方からして、発売当時からBook3が出るだろうと出版界でも予想はされていた。Book1と2というタイトルもわざと上巻・下巻としていないのもその理由の一つと考えられていた。
しかしながら今年の4月16日札響定演の曲目が決定されたであろう一年以上前にはBook1と2も発売されてもいなかったし、Book3がいつ発売されるかなどたとえ作者の村上春樹自身でさえ知る由もなかったはずだ。
おまけに昨年9月頃に行われたあるインタービューで、村上春樹が「来夏めどに第3部を」と話していたそうだ。

逆に村上春樹がわざわざ今年の4月16日の札響定演に合わせるため、Book3を書いてその出版社(新潮社)と協議し発売日を決めるわけはないだろう。

そう考えると、Book3の発売日と札響定演で「シンフォニエッタ」が演奏される日がうまく合ったのは、天文学的数字の確率の偶然の一致ということになる。

文学の神様とクラシック音楽の神様がイキなはからいをしてくれたとしか考えられない。

こんどあらためてヤナーチェクの「シンフォニエッタ」をもう一度CDでじっくり聞いてみようと思う。

ヤナーチェクは「勝利を目指して戦う現代の自由人の、精神的な美や歓喜、勇気や決意といったもの」を表現する目論見からこの曲を作曲したと言っている。(1928年に彼は死んでいるが)
この「1Q84」という長編小説も最終的にはこういうものを言わんとしているのではないかと私は解釈する。
そう考えるとストーリーテリングのうまい、一見推理小説とも読めそうなこの本も奥が深い。

因みにBook3にも何度も「シンフォニエッタ」が出てくる。(もちろん小説だから曲はBGMのように流れては来ない----テレビドラマじゃあるまいし)
もう一つ因みにだが、この小説の中の登場人物はみな変わった名前で、青豆・川名天吾・牛河・戎野という具合だ。Book3にまったくのちょい役だがよりによって玉木という看護婦も出てくる。(@_@)(@o@)

私があの本を買った書店を昨日ぞいてみたら、あんなに山のように積んであったのに、売切れで一冊も無くなっていた。

(札幌 たまき矯正歯科 院長 玉木弘孝)

今月の本日までのランニング距離75.33km

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コメント

  • 「1Q84」に、シンフォニエッタが取り上げられているために、定期二日目の会場は超満員でした! しかも、ヤナーチェクさんの孫弟子にあたるエリシュカさんの指揮ですから、もしかしたら、村上さんも会場にいらっしゃったのでは(?)と想像してしまいます。ファンファーレの後に出てくる民謡を基にした旋律は、日本のとうりゃんせ、はないちもんめ、といったわらべ歌に似ているようにも感じられます。私は、この曲はシベリウスのフィンランデイアのようなチェコ国民の応援歌だと解釈しています。

    先生がお書きになっているように、村上さんがこのシンフォニエッタを取り上げられたのは、雑然として混沌とした現代社会において、もっとも大切なことのメッセージをこの曲に代弁されていたのではないかと考えております。今月の定期では、エリュシュカさんの魔法のために、札響オケの皆さんたちからの演奏から、チェコ国民の熱い血が伝わってきました。新年度にふさわしい充実した定期でしたね~ そうそう、CD録音されましたから、販売日が今から楽しみです☆


  • よしのりさんコメントありがとうございます。
    シンフォニエッタについて色々勉強してますね。
    フィンランディアというと、大学時代 夏のスキー部合宿時旭岳雪渓わきの大自然の中、藤田先生と練習の合間にFMで聴いたのが強烈な印象で今も残っています。
    シンフォニエッタの札響CDが出たら私も買おうと思います。


  • 今月の定期のシンフォニエッタもドボ5も、かなり前にCDを入手して予習していました。この三年間、エリシュカさんはヤナーチェクの曲を取り上げられていますが、練習の時には、いつもヤナーチェクの方により熱が入ると、オケの方からお聞きしています。フィンランディアは、尾高さん指揮の札響オケのCDも出ていますよ~ 



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